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大きな運と小さな運(4)

2023-07-18日语睡前故事20210219 来源:百合文库
 カチン!
「これもか。ペッ!」
 三つ目も。
 力チン!
「なんや、これもか。ペッ!」
 四つ目も、五つ目も。
 カチン! カチン!
「何じゃ、このにぎり飯は? どれもこれも、みんな石が入っとるやないか」
 そして最後の一つも、やはり力チンときました。
 吾作はこれも川に吐きすてようとして、ふとにぎり飯を割ってみました。
「長者の家の飯には、どんな石が入っとるんじゃ? ・・・ややっ、これは!」
 にぎり飯の中から出て来た物は、石ではなく小判です。
「し、しもうた。前に入っていたのも、小判やったんか」
 お紗希が心を込めたおくり物は、深い川の底に沈んでしまいました。
この話を聞いて、木兵衛は吾作をしかりました。
「なんで初めに力チンときた時に、中を確かめなかったんや! そうすりゃ、六枚の小判が手に入ったのに!」
「けど、石だけを選んで吐き出すなんて、そんなけちくさい事はおとうも嫌いやろ? やっぱりおらには、運がないんや」

大きな運と小さな運


 その言葉を聞いて、木兵衛はぐひんさんの言葉を思い出しました。
「ぐひんさんの言う通り、お紗希は長者の嫁になった。やはり吾作には、竹三本のぶにしかないのか・・・」
 木兵衛ががっかりしていると、どこからともなくぐひんさんが現れて言いました。
「木兵衛よ、それは違うぞ。
 お紗希が長者の嫁になれたのは、物を大切にする良いおなごだったからじゃ。
 いくら良いぶにを持っていても、それを生かせん者もおる。
 反対に小さなぶにしかなくても、大きな運をつかむ者もおる。
 ぶにとは努力しだいで、どうとでも変わる物じゃ。
 長者になっても物を大切にするお紗希を見習えば、お前たちにも運がつかめるだろう」
それからというもの木兵衛と吾作は物を大切にする様になり、やがて竹千本の山を持つ長者になったそうです。
おしまい


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