大きな運と小さな運(4)
「これもか。ペッ!」
三つ目も。
力チン!
「なんや、これもか。ペッ!」
四つ目も、五つ目も。
カチン! カチン!
「何じゃ、このにぎり飯は? どれもこれも、みんな石が入っとるやないか」
そして最後の一つも、やはり力チンときました。
吾作はこれも川に吐きすてようとして、ふとにぎり飯を割ってみました。
「長者の家の飯には、どんな石が入っとるんじゃ? ・・・ややっ、これは!」
にぎり飯の中から出て来た物は、石ではなく小判です。
「し、しもうた。前に入っていたのも、小判やったんか」
お紗希が心を込めたおくり物は、深い川の底に沈んでしまいました。
この話を聞いて、木兵衛は吾作をしかりました。
「なんで初めに力チンときた時に、中を確かめなかったんや! そうすりゃ、六枚の小判が手に入ったのに!」
「けど、石だけを選んで吐き出すなんて、そんなけちくさい事はおとうも嫌いやろ? やっぱりおらには、運がないんや」

その言葉を聞いて、木兵衛はぐひんさんの言葉を思い出しました。
「ぐひんさんの言う通り、お紗希は長者の嫁になった。やはり吾作には、竹三本のぶにしかないのか・・・」
木兵衛ががっかりしていると、どこからともなくぐひんさんが現れて言いました。
「木兵衛よ、それは違うぞ。
お紗希が長者の嫁になれたのは、物を大切にする良いおなごだったからじゃ。
いくら良いぶにを持っていても、それを生かせん者もおる。
反対に小さなぶにしかなくても、大きな運をつかむ者もおる。
ぶにとは努力しだいで、どうとでも変わる物じゃ。
長者になっても物を大切にするお紗希を見習えば、お前たちにも運がつかめるだろう」
それからというもの木兵衛と吾作は物を大切にする様になり、やがて竹千本の山を持つ長者になったそうです。
おしまい
のとっておきの巨大化