吉四六さんと猫(2)
するときっちょむさんは、金持ちのだんなに空の皿と猫を見せて、
「どうしたもこうしたも、この猫が、わしの大切な魚を食ったんだ!
せっかくの、朝ご飯のおかずが!
泥棒猫め、こうしてくれるわ!」
と、まっ赤な顔で猫をなぐりつけようとするので、猫がかわいそうになった金持ちのだんなは大あわてできっちょむさんを止めると、
「待て待て、そんなに猫をしかってはかわいそうじゃ。
取られたのは、魚だな。
よし、すぐに戻って来るから、ちょっと待っておれよ」
と、さっそく市場まで魚を買いに行って、その魚をきっちょむさんの空の皿にのせてやりました。
「きっちょむさん。今日のところは、どうかこれで猫を許してやってくれ」
それを聞いたきっちょむさんは、
「うーん。まあ、だんながそう言うのなら」
と、猫を逃がしてやりました。
さて、金持ちのだんなが帰ってしまうと、きっちょむさんは家の裏口からさっきの猫を呼び入れて、手に入れた魚を半分に切って渡しました。
「よしよし、お前のおかげで、おかずが手に入ったわい。これは、お礼だよ」
おしまい
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