梓が唯のことで振り回される話‖轻音少女‖(5)
「あー、うん。そうだね」
梓は慣れから来る自分の態度に、気恥ずかしくなった。
そういえば、一年前までは、唯と話すときに全身がこわばっていたことを思い出す。
今では憎まれ口も言えるようになった、距離が近づいたということだろう。
梓の心が少しだけ躍る。
「梓はどっちが憂かわかるの?」
「え? あー、うん……」
唯(黄)を見る。
いつものほんわかした笑みを浮かべて、取り皿にロールキャベツを乗せていた。
ふんふんと楽し気に鼻歌まで歌っている。
後方のキッチンでは、これまた楽し気な唯(赤)の歌声が聞こえてきた。『ふわふわ時間』だ。
梓は表情を崩す。
「うーん、まだわかんない……かな?」
「なんで疑問なのよ」
訝し気な純の視線をまあまあといなす。純としては、唯だけがいて憂がいないこの環境は居心地のよくないものだろう。早く解決してほしいのかもしれない。
(でも、純にはもう少し我慢してもらおう)
唯(黄)がケチャップを取ったの視野に入れて、それを話題にすることにした。
「唯先輩って、ロールキャベツにケチャップつけるんですね」
「え? つけないの?」
「ケチャップ煮にすることはあっても、ケチャップを後からかけるのは珍しいと思います」
「へえ~そうなんだ」
感心したような声を出しつつ、唯(黄)はケチャップを絞りだして、ロールキャベツの上に赤色の牙城を構築していく。
「うわ」
純の息をのむ音が聞こえてきた。
唯(黄)の奇行に純が釘付けになっているのを見て、梓はほっと息を漏らす。うまく話を逸らすことができたようだ。
ーーーもう、しょうがないな、この姉妹は。
「みんなー、お茶が入ったから取りに来てー」
キッチンから唯(赤)の呼ぶ声が聞こえてくる。
「『おもてなし』するんじゃなかったんですか、もう……」
梓は慣れから来る自分の態度に、気恥ずかしくなった。
そういえば、一年前までは、唯と話すときに全身がこわばっていたことを思い出す。
今では憎まれ口も言えるようになった、距離が近づいたということだろう。
梓の心が少しだけ躍る。
「梓はどっちが憂かわかるの?」
「え? あー、うん……」
唯(黄)を見る。
いつものほんわかした笑みを浮かべて、取り皿にロールキャベツを乗せていた。
ふんふんと楽し気に鼻歌まで歌っている。
後方のキッチンでは、これまた楽し気な唯(赤)の歌声が聞こえてきた。『ふわふわ時間』だ。
梓は表情を崩す。
「うーん、まだわかんない……かな?」
「なんで疑問なのよ」
訝し気な純の視線をまあまあといなす。純としては、唯だけがいて憂がいないこの環境は居心地のよくないものだろう。早く解決してほしいのかもしれない。

(でも、純にはもう少し我慢してもらおう)
唯(黄)がケチャップを取ったの視野に入れて、それを話題にすることにした。
「唯先輩って、ロールキャベツにケチャップつけるんですね」
「え? つけないの?」
「ケチャップ煮にすることはあっても、ケチャップを後からかけるのは珍しいと思います」
「へえ~そうなんだ」
感心したような声を出しつつ、唯(黄)はケチャップを絞りだして、ロールキャベツの上に赤色の牙城を構築していく。
「うわ」
純の息をのむ音が聞こえてきた。
唯(黄)の奇行に純が釘付けになっているのを見て、梓はほっと息を漏らす。うまく話を逸らすことができたようだ。
ーーーもう、しょうがないな、この姉妹は。
「みんなー、お茶が入ったから取りに来てー」
キッチンから唯(赤)の呼ぶ声が聞こえてくる。
「『おもてなし』するんじゃなかったんですか、もう……」

のとっておきの巨大化