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【生肉】狂父 VG文库版 #第一章(3)

2023-12-21狂父 来源:百合文库
アヤは、先ほど手にした肖像画をじっと眺める。
額縁の中では、亜麻色の長い髪をした美しい女性が柔和な笑みを浮かべていた。
「……お母さん、わたし、どうしたらいいんだろう」
堪え切れなくなった寂しさが、アヤの口から流れ落ちていく。
「お父さんのことは大好き……でも、わたしはあのヒトのことがこわいの。……あのヒトね、わたしのことを、いつもこわい目で見てくるの」
額縁の中の母は何も応えてくれない。ただ、優しげに微ほほ笑えんでいるだけ。
それでも、アヤの言葉は止まらない。
「わたし、あのヒトはきらい。お父さんの助手だからわるく言うのはしつれいかもしれないけど、それでもわたしは、あのヒトがきらいです。……でも、お父さんはあのヒトが好きみたい。もしお父さんがあのヒトと結婚したら、あのヒトがわたしの新しいお母さんになるのかな……? わたし、あのヒトがお母さんになるのはいや……新しいお母さんなんてほしくないよ……わたしにとって、お母さんはひとりだけだもの……」
アヤの目の端から涙が滑り落ち、シーツに小さな染みが広がる。アヤは母の肖像画をぎゅっと抱きしめて、掠かすれた声で問いかけた。

【生肉】狂父 VG文库版 #第一章


「お母さん……どうして、わたしを置いていなくなっちゃったの……?」
応える声などありはしない。
額縁の中の母は、変わらず笑みを湛たたえているだけだった。

その部屋は、実験室と呼ばれていた。
薄暗い室内にはいくつかの寝台が等間隔に並び、棚には薬ビンやビーカーなどが置かれている。机の上には書類が乱雑に広げられ、傍らには木箱が積み上げられている。
その至るところに、赤黒い染みが付着していた。
血だ。
寝台や床には夥おびただしい量の赤色が広がっており、何かの拍子に跳ねた血がそこかしこで凝固している。錆びた鉄の臭いに満ちており、常人ならば足を踏み入れないであろう場所だった。
その片隅に、『彼女』はいた。
今にも消えてしまいそうな希薄さを帯びた『彼女』は、ただじっと部屋の中央を見つめている。その視線の先には、二人の人影があった。
白衣を着て眼鏡を掛けた男と、俗にメイド服と呼ばれるような服装をした女。
二人は、ちょうど今しがた、何かの作業を終えたところのようだった。

【生肉】狂父 VG文库版 #第一章


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