過去も、未来も分からない僕に。【にじさんじ/叶】20190707生贺原创曲小作文(6)
「あぁ、すまない。そろそろ時問だ。もう少し話せると思ったんだが。
まぁ、もしかするとまた会えるかもしれない。その時にでも、君の旅の話を聞かせてくれ。」
男はそう言うと指を鳴らす。
「それじゃあ、また。 」
「僕には、今まで出逢ってきた人や、物、感動してきた景色、音楽。
誰かの気持ちや思い、それらを否定したくは、ないかな。」
再び長く深い息を吐いて、彼は暫く黙った。
そして小さく笑うと此方を見て言った。
「もちろん君もだ。
君がどういう思いで僕に付いてきたのかなんて知らないけれど、僕は、君を信じたい。
君と見てきた物を、聞いてきた物を、感じてきた物を、僕は信じたい。」
ありがとう、彼はそう言うと日を閉じろ。
「もしかしたら記憶なんて最初から戻って来ないのかもしれない、思い出せないのかもしれない。
あの声に、手に、温もりに触れる事なんて、叶わない事なのかもしれないけれど。
それでも、君と一緒に歩いて、過ごしてきた時問は無駄じゃなかったって断言できるよ。」
それに、彼は言葉を緊いだ。
「いつだってやめる事はできるんだ。だから僕はやめた<なるまでは続けろよ。それまでは付き合ってくれるかい? 『 』 。」
そう言って彼は黙った。
何度か名前を読んでみたが返事は無く、眠ってしまったのだと確信する。
「『 』」
既に眠ってしまった彼に向かって、そう言った。
忘れるな、恐れるな。
拒むのでは無く受け入れろ、罰するのでは無く赦すのだ。
主の声は彼の光よりも明るく。
主の奇跡は彼の切っ先よりも鋭利なのだ。
蔵書を捲る音よりも重く。
暗闇で煌々と照らす松明よりも昏い。
汝の罪は正に其れである。
然し許しを請う事なかれ。
然して忘れる事なかれ。
目を抉り、耳を削ぎ、ロを縫い合わせ、
闇夜を歩く一人の罪人で在れ。
声だ。
誰かの声が聞こえる。
女性なのか、男性なのか。
分からないけれど声が聞こえる。
色の無い世界で、音の無い世界で、何も無い世界で。
その声は、確かに在った。
「貴方は、我らが父なのですか。」
私は尋ねた。
声にならない声で、 私は尋ねたのだ。
声は言った。
「私は胎児だ。何も知らず、無垢を知り、悪を知らず。純粋な産声をあげる、胎児だ。
私は光だ。暗きを照らす。罪を明るみの元へ引き摺り出し、彼らを正しきへと導く光だ。」
私は跪く。祈る様に手を合わせ、胸の前で十字を切る。
だい第ご五じんかく人格