約束のネバーランド~戦友たちのレコード~(试阅部分搬运(4)
2023-06-15约定的梦幻岛 来源:百合文库
そんな、ある日だ。
『お茶会しましょう』
そう言って、保存食のクッキー缶を持ってきたのは、ダイナだった。クッキーやビスケットは、保存期間の長いものが多く、もしもの時のために取っておこうと決めていた。だからそれを食べようと提案したダイナに、自分も他の兄弟達も驚いた。
『えっ』
『だってそれ保存用でしょう?』
『いいの?』
口々に理由を問う兄弟に、ダイナは笑って言った。
『毎日穴蔵生活じゃ気が滅入るもの』
テーブルの上に置き、缶の蓋を開ける。ぱかん、と軽い音の後、食堂に甘い香りが漂った。
中にはぎっしり、愛らしい形のクッキーが詰められていた。
『一日の最後に、みんなでちょっぴり贅沢するの』
その提案で、その日から夕食の後には、紅茶とクッキーがテーブルに並ぶようになった。
不思議だった。
ユウゴは今思い出しても、あの時間が自分達に与えていたものの大きさに、驚く。
生きていくことや、人間の世界を目指すことに比べれば、そんなちょっとした息抜きみたいなことは、特別重要なことではないと思っていた。
けれど一枚のクッキーと一杯の紅茶だけ、それだけのことで、久しぶりに全員の顔が和やかになった。安全に、確実に、毎日を生きていくことが最優先の暮らしは、笑っていても、心のどこかには張りつめたものがあった。それは、真実を知ってハウスを出てから、思えばずっと、そうだった。
『ハウスのお茶会、思い出すよな』
クッキーをかじって、ぽつりと呟いたのはニコラスだった。
『……楽しかったよね』
年下のジョンが相槌を打つ。
あの時、ユウゴも同じことを思っていた。必死に逃げ出してきた場所だったけれど、思い出はどれも明るく、優しい。それを思い出せたのも、このクッキーと、紅茶で満たされたティーカップだった。
『お茶会しましょう』
そう言って、保存食のクッキー缶を持ってきたのは、ダイナだった。クッキーやビスケットは、保存期間の長いものが多く、もしもの時のために取っておこうと決めていた。だからそれを食べようと提案したダイナに、自分も他の兄弟達も驚いた。
『えっ』
『だってそれ保存用でしょう?』
『いいの?』
口々に理由を問う兄弟に、ダイナは笑って言った。
『毎日穴蔵生活じゃ気が滅入るもの』
テーブルの上に置き、缶の蓋を開ける。ぱかん、と軽い音の後、食堂に甘い香りが漂った。
中にはぎっしり、愛らしい形のクッキーが詰められていた。
『一日の最後に、みんなでちょっぴり贅沢するの』
その提案で、その日から夕食の後には、紅茶とクッキーがテーブルに並ぶようになった。
不思議だった。

ユウゴは今思い出しても、あの時間が自分達に与えていたものの大きさに、驚く。
生きていくことや、人間の世界を目指すことに比べれば、そんなちょっとした息抜きみたいなことは、特別重要なことではないと思っていた。
けれど一枚のクッキーと一杯の紅茶だけ、それだけのことで、久しぶりに全員の顔が和やかになった。安全に、確実に、毎日を生きていくことが最優先の暮らしは、笑っていても、心のどこかには張りつめたものがあった。それは、真実を知ってハウスを出てから、思えばずっと、そうだった。
『ハウスのお茶会、思い出すよな』
クッキーをかじって、ぽつりと呟いたのはニコラスだった。
『……楽しかったよね』
年下のジョンが相槌を打つ。
あの時、ユウゴも同じことを思っていた。必死に逃げ出してきた場所だったけれど、思い出はどれも明るく、優しい。それを思い出せたのも、このクッキーと、紅茶で満たされたティーカップだった。

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