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父と追憶の誰かに(原文)(3)

「余計な長台詞に酸素の無駄遣いするなっ。それにクズじゃない、自由人なだけ」
「自由人はクズって意味だから、表現者もそれに近い」
 あんずは適当な顔して暇つぶしに人の心当たりを的確についてくる。そういう奴のことをヤな奴っていうのだ。あんずに喧嘩を売って心を折られた対戦相手を私は何人も知っている。でも私も伊達にあんずの隣にずっといるわけじゃない。
「いや、まあ?付き合ってた男に?時間とかには妙に神経質なのが面倒くさいって言われて?教師の子どもっぽいねと言われて?捨てられたあんずが、自由な人っていうのに難癖つけたくなるのは分かりますけど?」
「殺すぞファザコン」

父と追憶の誰かに(原文)


 私達は互いにメンチを切り合い、どちらからともなくこのノリがめんどくさくなってやめた。
「ふゆの勘には、夏休みの一日を消費する意味はあんの?」
 そう、今は夏休み。花の女子高生な私達の大切にしなきゃいけない貴重な一日。
「あんずの部屋で二人きりの人生ゲームやってるよりは現実に影響あるよ。家庭崩壊したらあんずの家の子してね」
「うちのパパとママ引き受けちゃいそうだからホントやめて。私はこれまで通り一人娘としてちやほやされて育ちたいの」
「だったらうちのお父さんの不倫を突き止めて、お母さんにばれる前にやめさせるの手伝ってよ。そんで私は弱みを握って今後喧嘩した時にちらつかせる。

父と追憶の誰かに(原文)


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